〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part W-W』 〜 〜
==源 氏 物 語 (巻一) ==
(著:瀬戸内 寂聴)
 
語 句 解 釈 (九)
 

2015/12/24 (木) 

ひとえかさね
女房の夏の装束。表着の下に、単衣を数枚重ねて着たもの。
ひとえはかま
夏に着る袴。薄織りの絹・麻布・芭蕉布などで仕立てたもの。
ふた あい いろ
襲の色目の一種。表が、濃く赤味がかった 縹色、裏が縹色 の配合。
はじめ
天皇・皇太子・皇子などが七、八歳ごろはじめて漢籍の読み方を教わる儀式。
ほう らい さん
中国の空想上の理想郷。東方の海中にあり不老不死の神仙が住むとされた。
まがき
柴や竹などで目をあらく編んで作った垣根
ま じ な い
神仏の力で病気が治るよう祈ること。
くしげ 殿どの
本来、宮中の貞観殿じょうがんでんにあって、蔵人寮くらづかさ で作るもの以外の衣服を調進する役所。ここでは個人的に設けた衣服調達所のこと。
たけ しょう じん の 行 者
御獄 (吉野の金峯山) に参籠する前に、千日間の精進潔斎をする人。
くらい
親王・臣下に賜わる位階の第三位。正三位と従三位がある。この場合、更衣は正四位上であったから、従三位を追贈された。宣命であるため 「につのくらい」 と読む。
みなみ おもて の 間
南側の部屋。寝殿正面にある。正式の客を迎え入れる部屋。
みや
宮城県仙台市の東部。萩の名所で歌枕。ここでは 「中宮」 の意。
やす どころ
天皇に寵愛された女性。特に皇子・皇女を生んだ女御・更衣の尊称。
みん の お も と
おもと (御許) は女房への敬意がこめられた呼称。
昔 の 物 語
宇多法皇が河原院で京極の御息所と一夜を過ごした時、源融の霊が御息所に取りつき、気絶したという伝説。 ( 『江談抄』 )
< 武 蔵 野 と い へ ば か お こ た れ ぬ >

「知らねども 武蔵野といえば かこたれぬ よしやさこそは 紫のゆゑ」 ( 『古今和歌六帖』 第五)

乳 母めのと べん
乳母子とは乳母の実子のこと。弁は、この人の夫などが弁官だったため呼称とされたのだろう。
めの わらわ
少女の召し使
もの
陰陽道における禁忌。凶事を避けるために家に籠って慎むこと。
もの
人に乗り移る死霊や生き霊。病気の原因と考えられていた。
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源氏物語 (巻一) 著:瀬戸内 寂聴 ヨリ