〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part W-W』 〜 〜
==源 氏 物 語 (巻一) ==
(著:瀬戸内 寂聴)
 
語 句 解 釈 (十)
 

2015/12/24 (木) 

もん じょうしょう
大学寮で、文章道 (詩文・紀伝) を学ぶ生徒のうち、式部省に行う試験に合格した者。
もん じょう はか
大学寮の文章道 (詩文・紀伝) を教える人。従五位下相当
ぶき がさね
がさね の色目の一種。表が薄朽葉色、裏が黄色の配合。
靫 負ゆげいみょう
命婦の名の一つ。ここでは靫負を夫か父兄に持つ命婦 (中級の男女) の呼び名。靫負とは、ゆぎ (矢を入れる道具) を背に負って、宮城門を守衛した衛門府の武官のこと。
<ゆめ に だ に 見 え ず ・ ・ ・ ・>
こい しきを 何につけてか なぐさ めむ 夢だにみえず る夜なければ」 ( 『拾遺集』 巻十二・恋二・源順 )
よう めいすけ
名目だけで職務も給与もない国司の次官。名誉職。
<世 の 中 に ・ ・ ・ ・>
「世の中に さらぬ別れの なくもがな 千代もとなげく 人の子のため」 ( 『古今集』 巻十七・雑上・在原業平)
りち
音楽の調子。短調的な旋律で和様とされる。中国伝来の長調的な旋律はりよ という。
ろく
当座の褒美に与える品。祝儀。衣類が普通であった。
ろく くろ うど
六位で蔵人所の職員。蔵人は通常五位相当の官であるが、特に六位で昇殿を許された者。
ろく どう
生前の行為の報いによって、死後に行くという六種の迷いの世界。地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上のこと。

<ふた つ の 途 ・ ・ ・ ・>

中国、唐の白楽天の詩文集 『白氏文集』 の巻二、秦中吟しんちゅうぎん 「議婚」 の一節、「主人良媒ヲ会ス 置酒シテ玉壺ニ満ツ 四座しばら ク飲ムコト勿レ 我ガふたつ ノ途ヲ歌フヲ聴ケ」 による。
わらわ やみ
今のマラリアに似た、発熱する病気。周期的に発作が起こる。
源氏物語 (巻一) 著:瀬戸内 寂聴 ヨリ