〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part W-W』 〜 〜
==源 氏 物 語 (巻一) ==
(著:瀬戸内 寂聴)
 
語 句 解 釈 (八)
 

2015/12/23 (水) 

「な ぞ 越 え ざ ら む ・ ・ ・ ・」

「人知れぬ 身はいそげども 年を経て など越えがたき 逢坂の関」 ( 『 後撰集 』 巻十一・恋三・藤原伊尹これまさ ) になぞらえた。

< 難波なには > の歌

「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」 (『 古今集 』 仮名序) と 「安積山あさかやま 影さへ見ゆる 山のヰの 浅き心を わが思はなくに」 ( 『 万葉集 』 巻十六) は、当時幼児の習字の手本として用いられた。

七 日なのか 、 七 日 の ほう
死者の供養のため、十三仏 (不動・釈迦・文殊もんじゅ普賢ふげん ・地蔵・弥勒みろく薬師やくし ・観音・勢至せいし阿弥陀あみだ阿?あしゅく ・大日・虚空蔵こくうぞう ) のうち薬師仏までを七日ごとに絵を描いたり、木像を造ったりすること。観音からは順に百日・一周忌・・・・・の時に行った。
とう らい どう
「南無」 はすべてを任せてすがるという意味。つまり、当来導師 (弥勒菩薩) へ帰依すること。
なん 殿でん の 鬼
太政大臣藤原忠平が若い頃、帝の命で南殿 (紫宸殿) の玉座のうしろを通りかかったところ、鬼が忠平の太刀を捕えたが、一喝して退散させたという逸話。 (『大鏡』 忠平伝)
西にしきょう
京を朱雀大路によって東西に分けた西半分 (左京) 。当時は、低湿地で人もあまり住んでおらず、荒れていた。
によう
天皇の夫人。皇后・中宮に次ぐ地位。通常、皇族及び摂政・関白・大臣の家の娘がなる。
によう ぼう
宮中・院中で、部屋を与えられて仕える女官。また、貴人の家に仕える侍女。
ぬさ
旅の道中、旅人を守る神である道祖神に奉る幣帛。色とりどりの布や紙を小さく切ったもの。
野 分のわき
秋、二百十日・二百二十日ごろに吹く、はげしい風。台風。
ばい ぜん
食事の給仕をすること。
はかま

初めて袴をつけるときのお祝いの儀式。三〜七歳の間に行う。皇子の場合は、天皇が腰結の役にあたることが多い。

ばん しょう 調ちょう

雅楽の 「六調子ろくちょうし 」 の一つ。盤渉 (西洋音階のhに近い) を主音とする短調的な旋律。冬の調子で、軽い音調。

こう しん ぽう ほう
密教の、心身を守護する修法。印を結び陀羅尼を唱える。
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源氏物語 (巻一) 著:瀬戸内 寂聴 ヨリ