〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part W-W』 〜 〜
==源 氏 物 語 (巻一) ==
(著:瀬戸内 寂聴)
 
語 句 解 釈 (七)
 

2015/12/23 (水) 

じょうきみ
空蝉の侍女の名。
ちゅう ごんきみなか つかさ
ともに葵の上の女房
ちょう せい 殿でん
中国、唐の皇帝の離宮の名。長恨歌には、玄宗皇帝が楊貴妃に、ここで比翼連理の愛を誓ったとの故事がある。
幾重にも曲がりくねった坂道。
つる を 鳴 ら す
弦打つるうち といって、魔除けのため、矢をつがわず弓の弦をひき鳴らすこと。
ぐるま
輿に車輪をつけて、人の手で引く車。東宮・親王・女御・大臣・大僧都などが、勅許 (天皇の許し) を得て乗り、そのまま内裏に出入することが出来た。更衣が勅許を得るのは破格。
殿 でん じょう びと
上人うえびと ・雲の上人ともいう。四位・五位の中で清涼殿の殿上の間に昇ることを許された者。及び五位・六位の蔵人をいう。
殿 でん じょう わらわ
貴族の子弟で、元服前に、公事などの見習のため、清涼殿の殿上の間に出仕を許された少年。
とう しき じょう
藤原氏で、式部省しきぶしょうの三等官。式部省は、中宮の儀式や文官の人事をつかさどり、大学寮を管轄する役所。
とうちゅう じょう
近衛の中将で、蔵人所の次官である蔵人くろうどとう を兼ねた人。
どつ
仏具。金剛杵こんごうしょの一つ。鉄または鋼製で、両端が分かれておらず、修法などの際、手に握り持つ。煩悩を打ち破る意を表す。
宿 直とのい
宮中などで、宿泊して勤務すること。
< は ぬ は つ ら き も の>
「君をいかで 思はぬ人に 忘らせて とはぬはつらき ものと知らせむ」 ( 『 源氏釈 』 )
とん じき
強飯こわいい (お米をせいろでむしたもの) を卵形に握り固めたもの。宴の時に弁当として庭上にいる身分の低い者に与えた。
ない
内侍司の三等官である掌侍ないしのじょうのこと
亡き子のために思い迷い、どうしてよいのか分からぬ親心の闇
「人の親の 心は闇に あらねども 子を思ふ道に まどひぬるかな」 ( 『後撰集』 巻十五・雑一・藤原兼輔 ) を踏まえる。
< 亡 く て ぞ 人 は 恋 し か り け る>
「ある時は ありのすさびに 憎かりき なくてぞ人は 恋しかりける」 ( 『源氏釈』 )
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源氏物語 (巻一) 著:瀬戸内 寂聴 ヨリ