〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part V-V』 〜 〜
── いつまでも、いつまでも お元気で ──
特攻隊員たちが遺した最後の言葉

2014/09/13 (土) 

山下 孝之 19歳 少尉

只今、元気旺盛おうせい 出発時刻を待って居ります。いよいよ此の世とお別れです。お母さん必ず立派に体当り致します。
昭和二十年五月二十五日八時。これが私が空母に突入する時です。
今日も飛行場まで遠い所の人々が私達特攻隊のために慰問に来て下さいました。丁度お母さんのような人でした。別れる時は見えなくなるまで見送りました。
二十四日七時半 八代上空で偏向し故郷の上空を通ったのです。
では、お母さん、私は笑って元気で きます。
永い間 御世話になりました。妙子姉さん、緑姉さん、武よ元気で暮して下さい。
お母さんお体大切に。私は最後にお母さんが何時も言われる御念仏おねんぶつ を唱えながら空母に突入します。
   南無阿弥陀仏
     昭和二十年五月二十五日

藤田 文六 18歳 少尉
お母さま
五月二十五日
元気溌剌おねんぶつ として憎き米英空母戦艦必ず必ず轟沈致しに出撃致します。
心は正しく清くほが らかで有ります。にっこりと笑って敵艦に体当り致します。
お母さま文六の今までの不幸をお許し下さい。
お母さまの永々の御健康と幸福をお祈り致します。長らくお世話になりました。
  南海に 敵艦求めて 真しぐら
            出撃前夜 文六より
   お母さまへ
『いつまでも、いつまでも お元気で』 編:知覧特攻平和会館 ヨリ
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