〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part V-V』 〜 〜
── いつまでも、いつまでも お元気で ──
特攻隊員たちが遺した最後の言葉

2014/09/10 (水) 

相花 信夫 18歳 少尉

   母を慕ひて
母上 お元気ですか
永い間本當ほんとう に有難うございました
我六歳の時より育て下されし母
継母とは言へ世の此の種の女にあるごと
不祥事は一度たりとてなく
いつく しみ育て下されし母
有難い母 尊い母

俺は幸福だった
遂に最後まで 「お母さん」 と
呼ばざりし俺 幾度か思ひ切って呼ばんとしたが
何と意志薄弱な俺だったろう
母上 お許し下さい
さぞ さび しかったでせう
今こそ大聲おおごえ で呼ばして頂きます
お母さん お母さん お母さん と

加藤 虎男 18歳 少尉
お母さん
大元気で
でっかい奴を
沈めます
鷲尾 克己 22歳 大尉
今更に 我が受けて来し 数々の
     人の情けを 思ひ思ふかな
上原 良司 22歳 大尉
人の世ハ 別れるものと 知りながら
     別れハなどて かくも悲しき
『いつまでも、いつまでも お元気で』 編:知覧特攻平和会館 ヨリ
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