〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part V-V』 〜 〜
── いつまでも、いつまでも お元気で ──
特攻隊員たちが遺した最後の言葉

2014/09/10 (水) 

溝川 慶三 21歳 少尉
御両親様 いよいよ本日夕出撃の命令がありました。
御安心下さい。
 必ずや立派に成功致します。
 今は出撃二時間前です。
 我々一行皆ほがら らかです。私もニッコリ笑って行きます。
 今はもうすべ ての俗念も去ってすがすがしい気持です。
数時間後には此の世を去ると思へない程、抱える爆弾はどす黒く光って居ります。
 しっかり爆発するぞと はぬばかりに。
 では行って来ます。皆様 御元気で
    四月二十八日十五時  さよなら
                    溝川 慶三
  ご両親様 
西宮 徹 22歳 少佐

母上 兄上 様
只今より出撃致します。実に歓び勇んで居ります。
丁度 小学校時代の遠足を思い出します。どんな獲物があるかと胸をわきわくさせて待って居ります。
決意とか覚悟とか う様な こだわりは少しもなく 本当に全員 純真無邪気です。
 小学校に遊学する朝 「行って参ります」 と云って出かけた事を思い出します。本当に嬉しさで一パイです。デハ、 「行ッテ参リマス」
  御機嫌よう。
               徹
  天長の 月あび勇む 必勝行

『いつまでも、いつまでも お元気で』 編:知覧特攻平和会館 ヨリ
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