2012/10/25 (木) 第 十一 章 軍 神 (四)
軍神という言葉について考えたい。明治三十七年四月十八日発行の 『日露戦争実記』 にはすでにこの語が使われているが、作家の上坂紀夫の調査によると、廣瀬に対してこの冠が付いたのは連合艦隊副官の永田泰次郎 (少佐) が、廣瀬の死の二日後に出した手紙が最初だという。軍令部参謀で、廣瀬の海軍兵学校同期の財部彪らに宛てた手紙に、こんな件がある。