〜 〜 『 寅 の 読 書 室  Part T-U』 〜 〜
あ らす じ

2012/05/09 (水) 長 田 忠 到 、 最 後 の 事

こうして長田は都へ上り、義朝と鎌田の首を平家に見せたので、忠到は壱岐いきの かみ を賜り、景到も左衛さえ 門尉もんのじょう を許された。ところが長田は、壱岐守を嫌って尾張守を望んだので、清盛は、 「汝らは、家代々の主人と婿とを斬った罪人ではないか。不法な奴だ」 と、壱岐守も左衛門尉も取り上げてしまった。そのうえ重盛が、 「今後の見せしめに、六条河原へ引き出して、二十日の間に二十の指を切り、首を鋸で引き切ってやろう」 と言い出したので、長田はあわてて国元まで逃げ帰ってしまった。

『保元物語・平治物語』 発行所:角川書店  ヨ リ
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