2012/05/02 (水) 為義の北の方、身を投げる事
波多野次郎は堀川の邸へ向かう途中の赤井河原で、為義の北の方の帰途に参り会う。夫を失い子を斬られた北の方は、 「自分もいっしょに斬ってくれ」 と、声を上げて泣き叫ぶのであったが、輿の乗せて河を渡ろうとするまぎれに、岸から身を投げてしまった。北の方の袂には覚悟の石が入っていたので、無残にも、そのまま水底に沈んでしまったのである。