紀の国の由良
その由良の海峡を渡る舟人が
梶を失ってただ ゆらゆらと
波間にただようように
わが恋もまた 行方も知れず
ただようばかり
ただゆらゆらと・・・
由良の門を
渡る舟人 かぢを絶え
行方も知らぬ 恋のみちかな
曾禰好忠