2007/12/19 (水) 海 か ら の 願 い |
生まれたばかりの魚のように
始めて知った水の冷たさ
ふるさとの川の流れに
今手を入れて
なぜか身体がふるえ
なぜか涙がzふれる
なんでもないのに
ただその冷たさに
これから何がはじまるのかも
何も知らずにいたあの頃
ふるさとの浜辺でひろった
白い貝がらを
海の彼方にうかべ
赤い夕焼けの中を
どこまでも
泳いでいったあの頃
赤い夕焼けの中を
はるか海の彼方へ |
|
『愛する人へ
』 加藤登紀子自選詩集 著・加藤登紀子 発行所・株式会社 サンリオ ヨ リ |
|
|
|