〜 〜 『 寅 の 読 書 室 』 〜 〜
 
2008/04/11 (金) 吾 亦 紅
マッチを擦れば
おろしが吹雪いて
線香がやけに付きにくい
パラパラ揺れる 吾亦紅 
あなたの吐息のように
盆の休みに帰れなかった
俺のずさんさに嘆いているか
あなたに あなたに謝りたくて
仕事になお借りた御無沙汰
あなたに あなたに謝りたくて
山裾の秋 一人会いに来た
ただあなたに謝りたくて

小さな町に嫁いで生きる
此処しか知らない人だった
それでも母は逝きついた
俺あなたが羨ましい
今は、いとこが住んでいる家に
昔みたいに明かりが灯る
あなたは あなたは
家族も遠く気強く寂しさを堪えた
あなたの あなたの
見てない絆 身にしみて行く
やっと手が届く、
バカやろうと、なじってくれよ
親の事など気遣う今に
後で恥じない自分を生きろ

あなたの あなたの
形見の言葉、守れた試しさないけれど
あなたに あなたに
威張って見たい
来月で俺離婚をするんだよ
そう 始めて自分を生きる

あなたに あなたに
見ていてほしい
髪に白髪が交じりはじめても
俺 死ぬまであなたの子供