戦前、東京の旧万世橋
駅前には、廣瀬中佐と杉野兵曹長の巨大な銅像があり、市民の憩いの場になっていた。銅像の製作者は、大分県大野郡上井田村 (現豊後大野市) 出身で、明治の偉大な彫刻家渡辺わたなべ
長男おさお 、朝倉あさくら
文夫ふみお の兄弟である。廣瀬中佐像は兄の長男が、杉野兵曹長の像は弟の文夫がそれぞれ製作を担った。ところが、この銅像は戦後の混乱期に撤去されてしまった。その理由は、この銅像が
「戦犯長江」 にあたり、GHQの指示によるというものである。 しかし、これは全く根拠のない理由づけである。その証拠に、ある日、銅像製作社の渡辺の家を訪ねたGHQ民生局員は、 |