ぼくのことを
しみじみ思ってくれる人は
もう いやしない
君に捨てられたいまは
ぼくはこのまま なすすべもなく
ああ ただむなしく
こがれ死にに 消えてゆくのか
あはれとも
いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべいきかな
謙徳公