続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集
戦 後 述 懐
元田 永孚
行
(
ゆ
)
くに
輿
(
こし
)
無
(
な
)
く
帰
(
かえ
)
るに
家
(
いえ
)
無
(
な
)
し
国
(
くに
)
破
(
やぶ
)
れて
孤
(
こ
)
城
(
じょう
)
雀
(
じゃく
)
鴉
(
あ
)
乱
(
みだ
)
る
治
(
じ
)
に
功
(
こう
)
を
奏
(
そう
)
すせず
戦
(
たたか
)
いに
略
(
りゃく
)
なし
微
(
び
)
臣
(
しん
)
罪
(
つみ
)
有
(
あ
)
り
又
(
また
)
何
(
なに
)
をか
嗟
(
なげ
)
かん
聞
(
き
)
く
説
(
なら
)
く
天皇
(
てんのう
)
元
(
もと
)
聖明
(
せいめい
)
我公
(
わがこう
)
日
(
ひ
)
を
貫
(
つらぬ
)
く
至
(
し
)
誠
(
せい
)
に
発
(
はっ
)
す
恩
(
おん
)
賜
(
し
)
の
赦
(
しゃ
)
書
(
しょ
)
応
(
まさ
)
に
遠
(
とお
)
きに
非
(
あら
)
ざるべし
幾回
(
いくかい
)
か
手
(
て
)
を
額
(
ひたい
)
にして
京
(
けい
)
城
(
じょう
)
を
望
(
のぞ
)
む
之
(
これ
)
を
思
(
おも
)
い
之
(
これ
)
を
思
(
おも
)
うて
夕
(
ゆうべ
)
より
晨
(
あした
)
に
達
(
たつ
)
す
憂
(
うれい
)
胸
(
きょう
)
臆
(
おく
)
に
満
(
み
)
ち
涙
(
なみだ
)
巾
(
きん
)
を
沽
(
うるお
)
す
風
(
かぜ
)
は
浙瀝
(
せきれき
)
たり
雲
(
くも
)
は
惨澹
(
さんたん
)
たり
何
(
いず
)
れの
地
(
ち
)
にか
君
(
きみ
)
を
置
(
お
)
き
又
(
また
)
親
(
おや
)
を
置
(
お
)
かん