続 吟 剣 詩 舞 漢 詩 集
熊 野 杉 よ
─ 夏 ─
梅田 恵以子
『杉よ 熊野杉よ
お前の輝かしい出発の夏』
みどりが燃え 直なる杉の秀は
限りなく大空を指し みどりの焔を
大空へ吹き上げる
『杉よ お前は熊野川を抱く
雨あがりに お前は 灯をともしはじめる』
熊野の神へ 熊野の祈り
末の雫に 夕陽さし 雫は 万燈籠
祈りの声が 祈りの声が
山にどよめく 山にどよめく